リビングダイニングの主役であるダイニングテーブル。最近では標準的な高さ(70〜72cm)よりも低めの高さ(65〜67cm程度)のテーブルを選ぶ方が増えています。開放感のある空間づくりやソファとの組み合わせがしやすいといったメリットがある一方で、購入後に「思っていたのと違った」と後悔する声も少なくありません。

本記事では、低めのダイニングテーブルのデメリットをしっかりと理解した上で、後悔のない選び方をご紹介します。

低めのダイニングテーブルとは?

一般的なダイニングテーブルの高さは70〜72cm程度です。これは日本人の平均的な身長に合わせて設計されており、食事や作業がしやすい高さとされています。一方で、低めのダイニングテーブルは65〜67cm程度の高さに設定されています。わずか数センチの違いですが、この高さの違いが使い勝手や空間の印象に大きく影響します。

低めのダイニングテーブルは、リビングダイニングスタイルの人気とともに注目を集めるようになりました。ソファと組み合わせやすく、部屋を広く見せる効果があることから、限られたスペースを有効活用したい方や、くつろぎながら食事を楽しみたい方に選ばれています。

低めのダイニングテーブルのデメリット

低めのダイニングテーブルには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。購入前にこれらのデメリットをしっかりと理解しておくことが、後悔のない家具選びにつながります。

身長が高い方には使いにくい

低めのダイニングテーブルの最大のデメリットは、身長が高い方にとって使いにくい点です。テーブルの高さが低いと、必然的に椅子の座面も低くなるため、脚が窮屈に感じられることがあります。

特に成人男性など身長が高い方の場合、膝がテーブルの天板に当たってしまったり、前かがみの姿勢にならざるを得なかったりするケースも。この状態で長時間食事をすると、腰や背中に負担がかかり、快適に過ごせません。家族の中に身長差がある場合は、全員が快適に使える高さを見極めることが大切です。

立ち座りの負担が増える可能性がある

椅子の座面が低くなることで、立ち座りの際に身体への負担が増える可能性があります。若い方にとってはそれほど問題にならないかもしれませんが、高齢者や膝・腰に不安がある方にとっては大きなストレスとなることもあるでしょう。座面が低いと立ち上がる際に大きく膝を曲げる必要があるため、膝関節への負担が増します。また、座る際に勢いよく腰を下ろしてしまうと、腰への衝撃が大きくなります。

将来的なライフステージの変化も考慮して、長く使い続けられる高さかどうかを検討することが重要です。

作業がしにくい場合がある

ダイニングテーブルを食事だけでなく、在宅ワークや子どもの勉強スペースとして活用している方も多いでしょう。低めのダイニングテーブルは、こうした作業用途には向いていないことがあります。

パソコン作業では、適切な目線の高さやキーボードの位置が重要です。テーブルが低すぎると、背中が丸まった姿勢になりやすく、長時間の作業で肩こりや首の疲れを引き起こす原因となります。

書き物をする際にも、テーブルの高さが低いと腕に力が入りにくく、細かい作業がしづらくなることがあります。ダイニングテーブルを多目的に使用したい場合は、標準的な高さのテーブルの方が適しているかもしれません。

椅子選びの選択肢が限られる

低めのダイニングテーブルに合わせるには、座面の低い椅子を選ぶ必要があります。テーブルと椅子の差尺(天板から座面までの高さの差)は27〜30cm程度が理想とされており、この関係性を保たないと快適に座ることができません。

しかし、座面の低い椅子は種類が限られています。デザインや素材、カラーバリエーションなど、標準的な高さの椅子に比べて選択肢が少ないため、理想のインテリアコーディネートが実現しにくいことがあります。また、将来的に椅子だけを買い替えたいと思った際にも、サイズが合う商品を見つけるのに苦労するかもしれません。

収納スペースが限られる

標準的な高さのダイニングテーブルでは、天板下のスペースを収納として活用することができます。椅子を収納するのはもちろん、テーブル下にワゴンや収納ボックスを配置することも可能です。

しかし、低めのダイニングテーブルは天板下の空間が限られるため、収納スペースとして活用しにくくなります。椅子を完全にテーブル下に収めることができない場合もあり、結果的に部屋が狭く感じられるかもしれません。限られたスペースを有効活用したいと考えている方にとっては、この点はデメリットとなるでしょう。

低めのダイニングテーブルのメリット

デメリットばかりをお伝えしてきましたが、低めのダイニングテーブルには魅力的なメリットも多くあります。ご自身のライフスタイルや家族構成に合っていれば、快適な暮らしを実現できる選択肢となります。

空間を広く見せる効果がある

低めのダイニングテーブルの最大の魅力は、空間に開放感をもたらす点です。テーブルの背が低くなることで視線が抜けやすくなり、同じ広さの部屋でも広く感じられます。特にコンパクトなリビングダイニングや、天井が低めのお部屋では、この効果を実感しやすいでしょう。家具の圧迫感を軽減し、すっきりとした印象の空間づくりができます。

小柄な方や子どもが使いやすい

身長が低い方やお子さんにとっては、低めのダイニングテーブルの方が快適に使えることがあります。足が床にしっかりとつく高さで座れるため、安定した姿勢を保ちやすくなります。特に小学校低学年くらいまでのお子さんには、標準的な高さのテーブルでは足が宙に浮いてしまい、落ち着いて食事や勉強ができないこともあるでしょう。低めのテーブルなら、お子さんが自分で座ったり立ったりしやすいです。

リラックスした雰囲気を演出できる

視点が低くなることで、人はリラックスした気分になりやすいと言われています。低めのダイニングテーブルとソファを組み合わせることで、カフェのようなくつろぎの空間を実現できます。週末にゆっくりと朝食を楽しみたい方や、食後もそのままくつろぎたい方には、このスタイルが適しているでしょう。

和モダンなインテリアに調和する

低めの家具は、和の要素を取り入れた空間と相性が良い特徴があります。畳の部屋に置くのはもちろん、フローリングの空間でも和モダンな雰囲気を演出できます。木材の質感を活かしたナチュラルなデザインのテーブルを選べば、落ち着きのある上質な空間づくりが可能です。

低めのダイニングテーブルが向いている方

低めのダイニングテーブルは、すべての方に適しているわけではありません。以下のような方には特におすすめできます。

  • 部屋を広く見せたい方
  • リビングとダイニングを一体化したい方
  • 小柄な方やお子さんがメインで使用する方
  • ソファでくつろぎながら食事を楽しみたい方
  • 和モダンなインテリアを好む方

一方で、以下のような方には標準的な高さのテーブルをおすすめします。

  • 身長が高い方
  • ダイニングテーブルで作業をすることが多い方
  • 立ち座りの負担を軽減したい方
  • 収納スペースを確保したい方

後悔しないための選び方のポイント

低めのダイニングテーブルを選ぶ際には、以下のポイントを確認することが大切です。

実際に座って確認する

カタログやWebサイトで見ているだけでは、実際の使い心地はわかりません。できるだけ店頭で実物を確認し、実際に座ってみることをおすすめします。その際には、普段家で過ごす時と同じように靴を脱いで座ってみてください。靴を履いたままだと高さの感覚が変わってしまうため、正確な判断ができません。

家族全員の体格を考慮する

ダイニングテーブルは家族全員が使うものです。一人だけが快適であれば良いというものではありません。家族の中で最も身長が高い方と低い方の両方が快適に使えるかどうかを確認しましょう。身長差が大きい場合は、昇降式のテーブルや調整可能な椅子を検討するのも1つの方法です。

使用目的を明確にする

ダイニングテーブルをどのように使いたいのかを明確にすることが重要です。食事だけなのか、在宅ワークや勉強にも使うのか、来客時にも対応できるようにしたいのか。使用目的によって、最適なテーブルの高さやサイズは変わってきます。多目的に使用したい場合は、標準的な高さのテーブルの方が適していることもあります。

椅子とのバランスを確認する

テーブルと椅子は別々に選ぶこともできますが、高さのバランスが重要です。差尺が適切でないと、どれだけ高品質な家具を選んでも快適に使うことはできません。テーブルと椅子をセットで購入するか、スタッフに相談しながら最適な組み合わせを見つけることをおすすめします。

将来のライフステージも考慮する

現在は問題なく使えても、数年後にはライフステージが変わることもあります。お子さんの成長、高齢になることによる体力の変化など、将来的な変化も視野に入れて選ぶことで、長く愛用できる家具を見つけることができます。

理想の高さのダイニングテーブルを見つけよう

低めのダイニングテーブルは、適切に選べば快適で魅力的な空間づくりができる一方で、デメリットもしっかりと理解しておく必要があります。名古屋市名東区の大矢家具店では、長年の経験を持つベテランスタッフが、お客様のライフスタイルやご家族構成に合わせた最適なダイニングテーブル選びをサポートしています。豊富な商品ラインナップの中から、”ちょうどいい”1台がきっと見つかるはずです。

実際に店頭で見て、触れて、座って体感することで、カタログだけではわからない使い心地を確認できます。ダイニングテーブル選びで迷ったら、ぜひ一度大矢家具店へ足をお運びください。