電動ベッドを探していると、商品によって「非課税」と表示されていることがあります。「同じ電動ベッドなのに、なぜ消費税がかかるものとかからないものがあるのだろう」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。

電動ベッドであればすべて非課税になるわけではありません。一定の基準を満たし、消費税法上の「身体障害者用物品」に該当する特殊寝台として扱われるものが、非課税の対象になります。

本記事では、家具の専門店である大矢家具店名古屋インター店が、電動ベッドが非課税になる仕組みや対象となる条件、購入時に確認したいポイントについて解説します。

電動ベッドが非課税になるのはなぜ?

電動ベッドの一部が非課税になるのは、一定の要件を満たす製品が、消費税法上の「身体障害者用物品」に指定されているためです。厚生労働省の告示では、身体に障害のある方が家庭で使用する寝台のうち、一定の機能や構造を備えたものが「特殊寝台」として定められています。基準を満たす特殊寝台の譲渡は、消費税の非課税取引となります。

「電動だから非課税」「介護用という名称だから非課税」というわけではなく、その商品が定められた要件を満たしているかどうかが重要です。また、介護保険による福祉用具のレンタル制度とは別の仕組みです。購入時に介護保険を利用するための申請を行う制度ではないため、電動ベッドを選ぶ際は「非課税対象商品として販売されているか」を確認しましょう。

非課税になる電動ベッドの条件

厚生労働省が定める特殊寝台には、機能やサイズ、構造について基準が設けられています。ここでは、非課税になる電動ベッドの条件について詳しく解説します。

頭部と脚部の傾斜角度を調整できる

特殊寝台として非課税の対象になるためには、身体の頭部と脚部の傾斜角度を調整できる機能を備えていることが前提となります。そのため、単に電動で背もたれが動くだけの商品が、必ずしも非課税になるわけではありません。購入時には「電動ベッド」という名称だけで判断せず、法令上の要件を満たした非課税対象商品であるかを確認することが大切です。

本体の側板の外縁から外縁までの幅が100cm以下

特殊寝台には、本体の側板の外縁と外縁との幅が100cm以下という基準が存在します。一般的なシングルサイズに近い電動ベッドでは非課税対象の商品がありますが、幅の広いモデルでは基準を超えて課税対象となるケースも多いです。

なお、商品ページに記載されている「ベッド全体の最大幅」と、法令上の「側板の外縁間の幅」は必ずしも同じ意味ではありません。サイズだけを見て判断しないように注意しましょう。

サイドレールが付いている、または取り付けられる

ベッドからの転落を防止するサイドレールが取り付けられている、または取り付け可能な構造であることも条件の1つです。実際にサイドレールを使用するかどうかだけではなく、ベッド本体がサイドレールを取り付けられる構造になっているかがポイントになります。

原則としてキャスターを装着していない

特殊寝台は、原則としてキャスターを装着していないことが条件です。そのため、キャスター付きの仕様に変更すると、非課税対象から外れる商品があります。

しかし、現行の基準では、折りたたみ式で「折りたたんだときだけキャスターが接地する構造」については例外があります。キャスターの有無による税区分は製品の仕様によって判断されるため、移動しやすさを重視したい場合は、購入前に販売店へ確認しましょう。

出典:消費税法施行令第十四条の四の規定に基づき内閣総理大臣及び厚生労働大臣が指定する身体障害者用物品及びその修理|厚生労働省

非課税の電動ベッドは誰でも購入できる?

「非課税の電動ベッドは、要介護認定を受けている人しか買えないのでは?」と考える方もいるかもしれません。電動ベッドの消費税が非課税になる仕組みは、介護保険の認定を受けた購入者に対して税金を還付する制度ではありません。販売される商品が身体障害者用物品として非課税対象に該当するかどうかによって、消費税の扱いが決まります。

そのため、購入時に「要介護認定を受けているから非課税になる」「一般利用だから課税される」と単純に決まるわけではありません。店頭や商品ページで「非課税」と表示されている製品については、通常はその非課税価格で販売されます。

電動ベッド本体以外も非課税になる?

電動ベッドを購入するときは、本体だけでなく、マットレスやサイドレールなどを一緒に揃えることがあります。そのため、「ベッドが非課税なら、周辺の商品もすべて非課税になるのでは?」と思う方もいるでしょう。

しかし、非課税対象の電動ベッドと一緒に使う商品だからといって、すべての付属品が自動的に非課税になるわけではありません。商品や販売時の組み合わせによって税の扱いが異なるため、本体と付属品を含めた価格表示を見ることが大切です。

マットレス

電動ベッドには、背上げや脚上げの動きに合わせて曲がる、電動ベッド対応のマットレスを使用するのが基本です。

非課税対象の電動ベッドと一体として販売される一定の付属品については、ベッドとあわせて非課税となる場合があります。一方、マットレスなどの付属品だけを単品で購入する場合は、原則として身体障害者用物品の非課税対象にはなりません。価格を比較するときは、ベッド本体だけでなく、実際に使用するマットレスなどを含めた総額と税区分を確認しましょう。

サイドレールやベッド用手すり

サイドレールやベッド用手すりは、転落防止や起き上がり、立ち上がりを補助するために使用するものです。介護保険では、サイドレールや一定のマットレス、ベッド用手すりなどは「特殊寝台付属品」として位置づけられています。

しかし、これは介護保険による福祉用具貸与上の分類であり、消費税の非課税制度とは別の仕組みです。そのため、「特殊寝台付属品だから必ず消費税も非課税」とは考えず、購入時に表示されている税区分を基準に判断しましょう。

非課税の電動ベッドを選ぶときの注意点

非課税になると消費税分の負担を抑えられますが、電動ベッドは毎日長時間使う家具です。税区分だけで選ぶのではなく、自分の身体や生活に合った機能を備えているかも確認しましょう。

モーター数よりも「何が動くか」を確認する

電動ベッドでは「1モーター」「2モーター」「3モーター」といった表記をよく見かけますが、モーター数だけで使いやすさが決まるわけではありません。背上げと脚上げが連動するタイプ、背と脚をそれぞれ動かせるタイプ、さらにベッド全体の高さまで調節できるタイプなど、商品によって動かせる部分が異なります。

例えば、ベッド上でテレビや読書を楽しみたい方なら背上げ機能が重要です。一方、立ち上がりに不安がある方は、背上げだけでなく床面の高さを調節できる機能が役立つ場合があります。

立ち上がりやすい高さを確認する

電動ベッドでは、寝ているときの快適さだけでなく、起き上がったあとに無理なく立てるかも重要です。ベッドに腰掛けたときに足裏が床につきやすく、膝や腰に大きな負担をかけずに立ち上がれる高さが理想です。床面の高さを電動で調節できるタイプなら、使用する方の身長や身体の状態に合わせやすくなります。

マットレスとの相性も確認する

電動ベッドの寝心地は、フレームだけでなくマットレスによっても大きく変わります。背上げや脚上げをしたときにスムーズに曲がる柔軟性が必要なため、一般的なマットレスのなかには電動ベッドに適さないものもあります。

現在使っているマットレスを流用する前に、電動ベッドに対応しているかを確認しましょう。新しく選ぶ場合は、電動フレームへの追従性に加えて、硬さや寝返りのしやすさも比較すると選びやすくなります。

リモコンの使いやすさや動作音も重要

電動ベッドは日常的にリモコンを操作するため、ボタンの配置や表示のわかりやすさも意外に重要です。また、モーターを動かしたときの音や速度も商品によって異なります。特に夜間に姿勢を変える機会が多い場合は、動作音や動きの滑らかさが気になることがあります。

カタログだけではわかりにくい部分なので、可能であれば実際に横になって操作し、自分にとって使いやすいかを確かめることをおすすめします。

電動ベッドに関するよくある質問

電動ベッドに関するよくある質問に回答します。電動ベッドの購入を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

Q:非課税の電動ベッドを買うために申請は必要ですか?

非課税対象として販売されている電動ベッドを購入する際に、購入者自身が税務署へ申請して消費税の免除を受ける仕組みではありません。非課税対象の商品には販売時に消費税が課されないため、通常の商品購入と同じように購入できます。

Q:要介護認定を受けていなくても非課税になりますか?

はい。消費税が非課税になるかどうかは、購入者が要介護認定を受けているかではなく、商品が身体障害者用物品として定められた基準を満たしているかによって決まります。そのため、一般家庭で使用する目的で購入する場合でも、非課税対象の商品であれば消費税はかかりません。

Q:セミダブルの電動ベッドも非課税になりますか?

「セミダブル」というサイズ名称だけでは判断できません。非課税となる特殊寝台には、本体の側板の外縁から外縁までの幅が100cm以下という基準があります。一般的なセミダブルはこれより幅が広いことが多いため、非課税の対象にならないモデルもあります。

一方で、商品ごとの構造によって測定箇所は異なるため、サイズ名称ではなく「非課税対象商品かどうか」で判断するのが適切です。

電動ベッドは非課税かだけでなく使いやすさも確認して選ぼう

電動ベッドのなかには、消費税法上の身体障害者用物品である「特殊寝台」に該当し、非課税で購入できる商品があります。対象となる特殊寝台では、頭部と脚部の傾斜角度を調整できること、本体の側板の外縁間が100cm以下であること、サイドレールを取り付けられること、原則としてキャスターを装着していないことなどが条件となります。

しかし、電動ベッド選びで大切なのは非課税かどうかだけではありません。背上げや脚上げ、高さ調節など必要な機能があるか、立ち上がりやすいか、マットレスが身体に合っているか、操作しやすいかまで確認することで、長く快適に使えるでしょう。

大矢家具店名古屋インター店では、PARAMOUNT BED(パラマウントベッド)をはじめとした電動ベッドを取り扱っています。店頭では実際にベッドへ横になり、背上げや脚上げを動かしながら、寝心地や起き上がりやすさを比較していただけます。電動ベッドは、カタログ上の機能だけでは自分に合うか判断しにくい家具です。価格や税区分に加えて、毎日無理なく使える一台かどうかを実際に確かめながら選びましょう。